かつても汚染水貯蔵タンクのダイク内の汚染雨水がバルブ操作ミスで外洋に流出したことが問題として紙上に取上げられたことがあった。
今回は2号機原子炉建屋屋上に滞留していた汚染雨水が排水路を通じて外洋に流出したことで漁業組合連合会が国と東電から説明を受けたとある。
他の情報によれば東京電力は去年4月に海に流れ出ていることを把握していたのにその事実を公表せず、国にも報告していなかった。
大分前から国も管理に関わると言っていただけにそれも口だけのものという実情が露呈したと言えるだろう。
汚染処理水の保管が限界に近づきその処理水の中にはまだ取り切れない残留放射線物質があることからその外洋への放出が取りざたされている中で、そのレベル以前の根本的企業と国の体質に「やはり、そうなのか!」と想いを強くする。
しかし、繰り返すことになるが組織の性悪説の観点に立てば自明とも言え相も変らぬ東電の体質と言える。
東電社長の会見では「このような問題になることに頭が回らなかった」と説明したようだが、確信犯としてはこのようなことしか言えないだろうことは想像に難くない。
国の管理責任も問われる事態であり汚染水の管理・監視を東電のみではなく漁協、第三者機関を含めて実施するしくみにしない限りこのような不手際は今後も避けられないと思う。
一昨年の10月(2年7カ月前)に漁業協同組合連合会としてようやく出荷の再開を果たした人々は忸怩たる思いのはずだ。